今日のおわりに。
帰宅ラッシュ。
満員電車。
限られた空間のなかに
明らかに詰めこみすぎたその箱に
あとどれだけ疲れた顔を詰め込めば気がすむのだろうか。
隣のひとと目があって
とっさに目をそらして
目のやり場に困って
意味もなく中吊り広告ぼんやりながめて。
誰かに足を踏まれて
いらっとする間もなく
どこからともなく舌打ちがきこえて
どうにもやるせなくなって
こみ上げてきた怒りは
いつのまにやらため息になってこぼれたりして。
いやいやいや、ちょっとまってよ。
なんかちがくない。
誰も悪くないのに。
みんな一日頑張ったのに。
目があったその瞬間、
気まずくなって目をそらす前に
なにか言えたら
その言葉をみつけられたら
帰り道の景色が変わるかもしれない
少しだけ明るくなるかもしれない。
難しい言葉じゃない。
今日の終わりに
おつかれさま。